人は自分と近しい対象を遠ざけようとする性質があるらしい。種の保存方式からもわかるように結局は、人本来の目的はそこなのであろう。関わる中で、何かしらの嫌悪感、苛立ちを覚える対象は、十中八九、遺伝子的に自分自身と近しい存在なはず。人同士である以上、真反対の遺伝子構造を持つ掛け合わせは不可能。遺伝子同士の距離感も人により変わってきて、それを見極める力にも差が生じる。自分が考える理想像が必ずしも遺伝子的に良い組み合わせであるかの保証はない。また、子孫を残す為だけの関係で終わるなら話は単純であるが、その後も関係を続けなくてはならないことに人間関係の複雑さ、煩雑さがある。相手や第三者、環境により、人同士ともいえども趣味嗜好は様々。さほどの我慢もなく、両思いで、生涯添い遂げる関係など、本当に運命的なのだ。間違って当然、答えが見つかった人が幸運であるとしか思えない。よって、人は常に無意識にそういった相手を探している。欲求不満と一緒に生活をしているのだ。