鬱とは自分で感情処理が追いつかず、抑うつ気分から抜け出せなくなる状態。何をするにも億劫で面倒で無意味で、心や体は常に重く冷たい虚無感に覆われている。鬱の難しいところは、進行した場合、自分の意思に反して体が拒否反応を起こしてしまうこと。行動や思考そのものが停止してしまい、現状の把握が困難になる。基本的な生命活動の維持すら自力で行えなくなる。思い悩む、知らず知らずに鬱を溜め込む、自分の感情を抑制しすぎる、過度の疲労、不眠など、鬱へのきっかけはそこら中に点在する。急性期の対応としては、生命活動の維持。安定し鬱から抜け出す頃が肝心要。鬱になると自分の存在が希薄化し、自分が自分自身を俯瞰で眺めている感覚がある。それは生命の危機と言っていい。そこから抜け出すには、自分の存在を確立していくこと。早い話が他者と関わることだ。他者と関わることで自分を認識できる。自分がここに存在している、と自覚することは生きていく上の大きな原動力であり燃料となる。